目盛りの手法は,太刀盛り・筆盛り(ねずみのヒゲを使う)・ヘラ目盛りがあります。江戸職人の流れを汲むのが,ヘラ目盛りです。最近はパフォーマンス的風が強い為か、刀盛り(ヘラではなく刀を使用する)という方法がよく目にされますが、東京の碁盤師は江戸職人系のヘラ目盛りが主です。当店でも昔ながらの変わらない伝統のヘラ目盛りで,目盛りを行っております。
鋼のヘラです。漆で線を引くときに使います。 |
仕事場です。漆はほこりが付きやすいので,目盛りは夜1人静かにほこりをたてないよう行います。 |
漆を練るヘラと台です。 |
まずは漆を練るところから始めます。こしのある強い漆にするために,よくヘラで練ります。 |
次に漉し紙(薄い和紙のような紙)に素早くくるみ,しぼって,漆の中に含まれていた不純物・ごみ等を取り除きます。 |
この目盛りは,盤作りの中で,最も花形的な工程です。一番難しく,盤師の特徴や技術がよく表されるところでもあります。当店では昔からの伝統である,ヘラで目盛りを行います。一見ただ漆で線を引いているだけのようですが,線がベタっと平面的にならず,線の断面が半球状に盛り上がるよう,また漆をにじませないようにするには熟練の技を必要とします。 |
最後に星を9つ打って完成です。 |